家族葬の香典はいくら包むべき?金額相場から香典袋の書き方や注意点を紹介|コラム(葬儀・葬式のお役立ち情報)|姫路市・太子町で葬式、葬儀、家族葬なら名古山葬儀式場、筑紫の丘斎場の受付窓口であるプライベートセレモニー

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公開日:2024.05.17 / 更新日:2025.11.10

家族葬の香典はいくら包むべき?金額相場から香典袋の書き方や注意点を紹介

家族葬の香典マナー完全ガイド|金額相場から書き方まで

家族葬に参列する際、「香典は必要なのか」「いくら包めばいいのか」と迷われる方は少なくありません。この記事では、家族葬における香典マナーについて、金額相場から書き方、渡し方まで網羅的に解説します。

家族葬の香典相場は一般葬と同様で、親の場合は5万円~10万円、祖父母は1万円~3万円、兄弟姉妹は3万円~5万円が目安です。ただし、遺族から「香典辞退」の意向が示された場合は、その意思を尊重することが最も大切なマナーとなります。

香典袋の書き方は宗教・宗派によって異なり、仏式では「御霊前」「御香典」、神式では「御玉串料」、キリスト教式では「御花料」が一般的です。お札は新札を避け、肖像画が裏側を向くように入れるのが正式な作法とされています。

この記事を読むことで、家族葬における香典の基本マナーから、香典辞退された場合の対応方法、避けるべきタブーまで、自信を持って対応できる知識が身につきます。

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家族葬とは?一般葬との違い

家族葬とは?一般葬との違い

家族葬とは、ご家族や親族、親しい友人など少人数で執り行う葬儀形式のことです。一般的には30名以下の参列者で営まれることが多く、故人とのお別れの時間をゆっくりと過ごせるのが特徴です。

一般葬との主な違いは、参列者の範囲と葬儀の規模にあります。一般葬では会社関係者や地域の方々など幅広く参列を受け付けますが、家族葬では遺族が参列者を限定します。そのため、訃報を知らせる範囲も必要最小限に抑えられます

比較項目 家族葬 一般葬
参列者数 30名以下が目安 50名以上が一般的
参列者の範囲 家族・親族・親しい友人のみ 広く一般の方々も
訃報の連絡範囲 限定的 広範囲
葬儀の雰囲気 落ち着いてゆっくり 対応に追われることも
費用 比較的抑えられる 参列者数により変動

家族葬を選ぶ理由としては、「故人の遺志」「高齢でお付き合いが少なくなった」「遺族の負担を軽減したい」などが挙げられます。近年では、新型コロナウイルス感染症の影響もあり、家族葬を選択される方が増加傾向にあります。

ただし、家族葬だからといって葬儀の形式や内容が簡略化されるわけではありません。通夜、告別式、火葬といった基本的な流れは一般葬と同じです。宗教儀式も通常通り執り行われます。

家族葬で香典は必要?基本的な考え方

香典の相場

家族葬に参列する際、香典を持参すべきかどうか迷う方は少なくありません。家族葬であっても、香典辞退の案内がない限り、基本的には香典を用意するのがマナーです。一般的な葬儀と同様に、故人への弔意を表し、遺族の負担を軽減する意味合いがあります。

ただし、家族葬は遺族の意向が強く反映される葬儀形式のため、香典の取り扱いについては事前に確認しておくことが大切です。訃報の連絡や案内状に香典に関する記載がないか注意深く確認しましょう。

香典を持参すべきケース

以下のようなケースでは、香典を持参するのが適切です。

ケース 対応
香典辞退の案内がない場合 通常通り香典を用意する
遺族から直接参列を依頼された場合 故人との関係性に応じた金額を用意する
訃報連絡に「香典は通常通り」と記載がある場合 一般葬と同様の相場で用意する
会社関係で参列する場合 会社の方針に従い、個人または連名で用意する

特に、遺族から直接参列を依頼された場合は、故人との関係性が深いことを意味しています。香典を通じて弔意を表すことが、遺族への配慮となります。

また、訃報の連絡を受けた時点で香典についての記載がない場合は、念のために香典を用意しておくことをおすすめします。当日、受付で香典辞退の案内があれば持ち帰ることができますが、用意していない場合は後日改めて対応する手間が発生してしまいます。

香典辞退と言われた場合の対応

家族葬では、「参列者に負担をかけたくない」「香典返しの手間を省きたい」「故人の遺志」などの理由から、香典を辞退するケースがあります。

訃報の連絡や案内状に「御香典は辞退申し上げます」「御厚志は辞退させていただきます」などの記載がある場合は、遺族の意向を尊重し、香典を持参しないのがマナーです。

香典辞退の案内がある場合の対応方法は以下の通りです。

  • 香典は用意せず、手ぶらで参列する
  • 無理に香典を渡そうとしない(遺族の負担になる可能性がある)
  • どうしても気持ちを表したい場合は、後日供花や弔電を検討する
  • 香典の代わりに丁寧な弔意の言葉を伝える

ただし、当日受付で「香典辞退」の案内があった場合でも、すでに香典を用意している場合は、受付の指示に従ってください。その場で辞退を伝えられた場合は、無理に渡さず持ち帰るのが適切です。

香典を辞退された場合でも、故人を偲ぶ気持ちや遺族への配慮の気持ちは変わりません。葬儀後の遺族との関わり方や、別の形での弔意の表し方を考えることが大切です。

家族葬の香典相場

家族葬の香典相場

家族葬における香典の相場は、一般的な葬儀とほぼ同じ金額です。家族葬だからといって香典の金額を極端に減らす必要はありません。香典の額は、故人との関係性や日頃のお付き合いの深さによって決めるのが一般的です。

故人との関係別の金額目安

香典の金額は、故人とのつながりの深さによって変わります。以下、具体的な相場をご紹介します。

親・配偶者の親の場合

自分の親や配偶者の親が亡くなった場合、香典の相場は5万円~10万円程度です。親子関係という近い間柄であることを考慮した金額設定となります。喪主を務める場合には香典を包まないこともありますが、兄弟姉妹で分担して葬儀を執り行う場合などは香典を用意するケースもあります。

祖父母の場合

自分や配偶者の祖父母の場合、香典の相場は1万円~3万円が目安です。自分の年齢や社会的立場によっても金額は変動します。20代であれば1万円程度、30代以降であれば2万円~3万円程度を包むことが多いでしょう。

兄弟姉妹・親戚の場合

兄弟姉妹や叔父叔母などの親戚の場合、香典の相場は1万円~3万円です。故人との関係の近さや日頃の交流の程度によって金額を調整します。いとこなど少し離れた関係であれば、5,000円~1万円程度でも問題ありません。

故人との関係 香典の相場
親・配偶者の親 5万円~10万円
祖父母 1万円~3万円
兄弟姉妹 3万円~5万円
叔父叔母 1万円~3万円
いとこ 5,000円~1万円

友人・知人・近所の方の場合

友人や知人の家族葬に参列する場合、香典の相場は5,000円~1万円程度です。学生時代からの親友など特に親しい関係であれば1万円~2万円を包むこともあります。

近所の方の場合には、3,000円~5,000円が目安となります。町内会やマンションの自治会など地域のつながりがある場合は5,000円程度、顔を合わせる程度の関係であれば3,000円程度でも構いません。日頃のお付き合いの頻度や関係性を考慮して適切な金額を決めましょう。

会社関係者の場合

職場の上司や同僚、部下など会社関係者の家族葬に参列する場合、香典の相場は5,000円~1万円が一般的です。社長や役員など特に地位の高い方の場合は1万円~3万円を包むこともあります。

取引先の関係者の場合も同様に5,000円~1万円が目安です。ただし、会社として香典を出す場合もありますので、事前に社内で確認しておくと良いでしょう。個人で包む場合と会社名義で包む場合では金額が異なることもあります。

関係性 香典の相場
友人・知人 5,000円~1万円
近所の方 3,000円~5,000円
会社の上司・同僚・部下 5,000円~1万円
取引先関係者 5,000円~1万円

香典袋の正しい書き方

香典を辞退

香典袋へ記入する際には、正しいマナーを守ることが大切です。宗教による違いや、個人で出すのか複数人で出すのかによっても書き方が異なります。ここでは、香典袋の表書き、名前、裏面の書き方について詳しく解説します。

表書きの書き方

香典袋の表書きは、葬儀の宗教によって異なります。事前に確認して、適切な表書きを選びましょう。表書きは、水引の上部中央に薄墨の筆ペンや筆で記入します。

仏式の場合

仏式の葬儀では、「御霊前」「御香典」「御香料」のいずれかを使用します。四十九日までは「御霊前」、四十九日以降は「御仏前」が一般的です。家族葬の場合も通夜や葬儀では「御霊前」が最も無難です。

神式の場合

神式の葬儀では、「御玉串料」「御榊料」「御神前」などを使用します。「御霊前」も使用できますが、神式であることがわかっている場合は神式に合わせた表書きを選ぶとより丁寧です。

キリスト教式の場合

キリスト教式の場合、カトリックでは「御花料」「御ミサ料」、プロテスタントでは「御花料」「忌慰料」を使用します。「御霊前」はカトリックでは使用できますが、プロテスタントでは避けたほうが良いでしょう。

名前の書き方

名前の書き方は、個人で出すのか、夫婦や複数人で出すのかによって異なります。水引の下部中央に、表書きよりもやや小さめの文字で記入します。

個人で出す場合

個人で香典を出す場合は、水引の下中央にフルネームで記入します。表書きの文字よりも少し小さめに書くのがバランスが良いでしょう。

夫婦連名の場合

夫婦で香典を出す場合は、夫の氏名を中央に、妻の名前のみを左側に添えて記入します。夫婦ともにフルネームを書く必要はありません。ただし、夫婦それぞれが故人と深い関わりがあった場合は、両方のフルネームを書いても構いません。

複数人で出す場合

3名までの場合は、右から地位や年齢の高い順に全員の名前を横並びに記入します。4名以上の場合は、代表者の名前を中央に書き、その左下に「外一同」と添え、中袋に全員の氏名と住所、金額を記入した別紙を同封します。会社関係の場合は「○○部一同」などと記入するのも良いでしょう。

裏面の書き方(住所・金額)

香典袋の裏面には、住所と金額を記入します。中袋がある場合は中袋に、ない場合は外袋の裏面左下に記入してください。

住所は郵便番号から正確に記入し、金額は旧字体の漢数字で「金○○円也」と書きます。具体的には、以下のように記入します。

金額 旧字体での表記
5,000円 金伍阡円也
10,000円 金壱萬円也
20,000円 金弐萬円也
30,000円 金参萬円也
50,000円 金伍萬円也
100,000円 金壱拾萬円也

住所と金額を明記することで、遺族が香典返しを手配する際の負担を軽減できます。中袋がない場合でも、必ず記入するようにしましょう。

香典のお札の入れ方とマナー

香典のお札の入れ方とマナー

香典を包む際には、お札の選び方や入れ方にも細やかな配慮が必要です。ここでは、香典袋にお札を入れる際の基本的なマナーについて詳しく解説します。

新札は避けるべき理由

香典には新札を使用しないのがマナーとされています。これは、新札を用意していたということは、あらかじめ不幸を予期していたと受け取られる可能性があるためです。

ただし、汚れたお札やシワだらけのお札を使用するのも失礼にあたります。適度に使用感のあるきれいなお札を選ぶようにしましょう。どうしても新札しか手元にない場合は、一度折り目をつけてから香典袋に入れることで対応できます。

お札の向きと入れ方

お札を香典袋に入れる際には、向きにも注意が必要です。お札の肖像画が印刷されている面を裏側(香典袋の裏面側)に向けて入れるのが一般的なマナーとされています。

また、お札を入れる向きは、香典袋を開けたときに肖像画が下側になるように入れます。これは悲しみで顔を伏せている様子を表現しているとも言われています。

項目 正しい方法
お札の表裏 肖像画の面を裏側(香典袋の裏面側)に向ける
お札の上下 香典袋を開けたときに肖像画が下側になるように入れる
複数枚の場合 すべてのお札の向きを揃える

複数枚のお札を入れる場合は、すべてのお札の向きを揃えて入れるようにしてください。

中袋の使い方

香典袋に中袋(内袋)が付いている場合は、まず中袋にお札を入れてから外袋に包みます。中袋の表面には金額を、裏面には住所と氏名を記入するのが基本です。

金額は「金○○円也」と旧字体の漢数字で記入します。例えば、1万円の場合は「金壱萬円也」、3万円の場合は「金参萬円也」と書きます。これは、後から金額を改ざんされないための配慮です。

中袋がない香典袋の場合は、外袋の裏面に直接金額と住所を記入します。いずれの場合も、薄墨の筆ペンや筆で丁寧に記入することを心がけましょう。

香典を渡すタイミングと渡し方

家族葬で香典を持参する際には、渡すタイミングや渡し方にもマナーがあります。適切な方法で香典をお渡しすることで、遺族への配慮を示すことができます。

受付での渡し方

家族葬でも受付が設けられている場合は、受付で香典を渡します。袱紗から香典袋を取り出し、受付の方に正面を向けて両手で差し出すのが正式な作法です。

受付では、まず一礼してから「この度はご愁傷様でございます」などのお悔やみの言葉を簡潔に述べます。その後、香典袋を渡し、芳名帳に記帳を行います。記帳する際には、住所と氏名を楷書で丁寧に書きましょう。

手順 内容
1. 受付前 袱紗から香典袋を取り出す
2. 一礼 受付係の方に一礼する
3. お悔やみ 簡潔にお悔やみの言葉を述べる
4. 香典を渡す 香典袋を正面に向けて両手で差し出す
5. 記帳 芳名帳に住所と氏名を記入する

受付がない場合の対応

家族葬では規模が小さいため、受付が設けられていないこともあります。受付がない場合は、遺族に直接お渡しするか、祭壇前の香典台に置くことになります。

遺族に直接お渡しする場合は、タイミングを見計らって静かにお声がけし、お悔やみの言葉とともに香典を手渡します。ただし、遺族が葬儀の対応で忙しくされている場合は、無理に声をかけずに香典台に置くほうが配慮があると言えるでしょう。

香典台に置く場合も、袱紗から取り出した香典袋を丁寧に置きます。その後、祭壇に向かって一礼し、焼香を行います。

袱紗の使い方

香典を持参する際には、袱紗(ふくさ)に包んで持参するのがマナーです。袱紗は香典袋を汚れや折れから守るとともに、礼儀を示す意味があります。

弔事用の袱紗は、紺色、グレー、紫色などの落ち着いた色を選びます。紫色は慶弔両方に使えるため、一つ持っておくと便利です。

袱紗への包み方は、袱紗を広げて中央よりやや右寄りに香典袋を置き、右側から左側へ向かって包んでいきます。弔事では右から左へ包むのが作法です。慶事とは逆になりますので注意しましょう。

簡易タイプの袱紗(金封袱紗)を使用する場合は、香典袋を挟むだけで使用できます。この場合も、弔事用の色を選ぶようにしてください。

袱紗から香典袋を取り出す際には、受付の直前で取り出すようにします。事前に取り出してしまうと、香典袋が汚れたり折れたりする可能性がありますので、タイミングに注意しましょう。

家族葬で香典辞退と言われたら

家族葬では、遺族が香典を辞退するケースが増えています。香典辞退の申し出を受けた際には、その意向を尊重することが大切です。ここでは、香典辞退の理由や適切な対応方法について詳しく解説します。

香典辞退の理由

家族葬で香典を辞退する理由には、いくつかの背景があります。主な理由を理解しておくことで、遺族の気持ちに配慮した対応ができます。

参列者に負担をかけたくないという遺族の配慮が、香典辞退の最も多い理由です。特に家族葬では近親者のみで執り行うことが多く、参列者に経済的な負担を感じさせたくないという思いがあります。

また、香典返しの手間を省きたいという実務的な理由もあります。香典をいただくと、後日香典返しを用意して送る必要があり、遺族にとって大きな負担となります。葬儀後の煩雑な手続きを減らし、故人を偲ぶ時間を大切にしたいという考えから辞退されるケースも少なくありません。

さらに、故人の遺志による場合もあります。生前に「家族だけで静かに見送ってほしい」「参列者に気を遣わせたくない」という希望を残していた場合、遺族はその意向を尊重して香典を辞退することがあります。

辞退された場合の対応方法

香典辞退の連絡を受けた場合には、遺族の意向を最優先に尊重することが何よりも大切です。無理に香典を持参することは、かえって遺族の負担となってしまいます。

訃報通知や案内状に「誠に勝手ながら香典は辞退させていただきます」などの記載がある場合は、その意向に従い香典を持参しないようにしましょう。電話などで直接辞退の旨を伝えられた場合も同様です。

ただし、当日会場で香典辞退と知った場合でも、すでに用意した香典を無理に渡そうとするのは避けてください。受付で「ご辞退と伺っておりますので」と伝え、持ち帰るのがマナーです。

なお、念のために香典を用意しておき、会場で確認してから判断するという対応も一つの方法です。香典辞退の連絡を受けていない場合には、用意しておいたほうが安心でしょう。

供花や弔電で気持ちを伝える方法

香典を辞退された場合でも、故人への弔意を表したいという気持ちは自然なものです。そのような場合には、供花や弔電で気持ちを伝える方法があります。

供花を送る場合は、事前に遺族や葬儀社に確認することが重要です。香典同様に供花も辞退されているケースがあるためです。受け入れていただける場合は、葬儀社を通じて手配するとスムーズです。供花の相場は1万円~2万円程度が一般的です。

弔電は、遠方で参列できない場合や、香典・供花を辞退されている場合でも送りやすい弔意の表し方です。NTTの電報サービスや民間の弔電サービスを利用して、葬儀の日時に合わせて送ることができます。

弔意の表し方 確認の必要性 相場・目安
供花 事前確認が必要 1万円~2万円
弔電 確認不要 3,000円~5,000円
後日の弔問 事前確認が必要 手土産程度

また、葬儀後に自宅へ弔問に伺うという方法もあります。ただし、遺族の負担を考慮し、必ず事前に連絡して都合を確認してください。弔問の際には、菓子折りなどの手土産を持参するのが一般的です。

いずれの方法を選ぶ場合でも、遺族の意向と負担を第一に考えた配慮が求められます。自分の気持ちを押し付けるのではなく、相手の立場に立った対応を心がけましょう。

香典に関する注意点とタブー

香典を用意する際には、マナー違反とならないよう、いくつかの注意点を押さえておく必要があります。ここでは、金額や香典袋の選び方、筆記具など、香典に関する重要なタブーについて解説します。

避けるべき金額

香典の金額を決める際には、偶数や特定の数字を避けることが重要です。日本の慶弔文化では、縁起を担ぐ習慣があり、不適切な金額を包むことは遺族に対して失礼にあたります。

避けるべき金額・数字 理由
4のつく金額(4万円など) 「4」は「死」を連想させるため縁起が悪い
9のつく金額(9千円など) 「9」は「苦」を連想させるため避けるべき
偶数金額(2万円、6万円など) 「割り切れる」ことから「縁が切れる」を連想させる(ただし2万円は例外的に許容される場合もある)
端数や小銭の混在 5,300円のような中途半端な金額は失礼にあたる

基本的には、1万円、3万円、5万円といった奇数かつキリの良い金額を選ぶようにしましょう。

香典袋選びの注意点

香典袋は、包む金額に応じて適切なものを選ぶ必要があります。金額と香典袋の格が釣り合っていないと、マナー違反と見なされることがあります。

水引は黒白のもの、もしくは双銀のものを選んでください。関西地域では黄白の水引を使用することもありますが、家族葬では黒白か双銀が無難です。水引の本数は、5本または7本のものが一般的です。

包む金額 適切な香典袋
5,000円以下 印刷された水引のシンプルな香典袋
1万円~3万円 実際の水引がついた一般的な香典袋
5万円以上 高級な和紙を使った格式の高い香典袋

また、宗教によって使用できる表書きが異なるため、事前に確認しておくことが大切です。仏式では「御香典」「御霊前」、神式では「御玉串料」、キリスト教式では「御花料」などが適切です。

筆記具の選び方

香典袋に記入する際の筆記具選びにも、重要なマナーがあります。薄墨の筆ペンまたは毛筆を使用することが正式なマナーとされています。

薄墨を使う理由は、「悲しみの涙で墨が薄まった」ことを表現するためです。ただし、裏面の住所や金額については、濃い墨で書いても問題ないとされています。表書きと名前は必ず薄墨で記入しましょう。

ボールペンや万年筆、サインペンなどの使用は避けてください。特に、カラフルなペンや鉛筆での記入は大変失礼にあたります。どうしても筆記具が用意できない場合は、黒のサインペンでも許容されることがありますが、できる限り筆ペンを使用することをおすすめします。

字に自信がない方でも、丁寧にゆっくりと書くことで誠意は伝わります。読みやすさを重視し、心を込めて記入することが大切です。

まとめ

家族葬の香典については、まず遺族の意向を最優先に考えることが最も重要です。香典辞退の案内があった場合は、その意向を尊重し、無理に持参しないようにしましょう。

香典を持参する場合の金額相場は、故人との関係性によって異なります。親や配偶者の親の場合は5万円から10万円、祖父母の場合は1万円から3万円、兄弟姉妹や親戚の場合は3万円から5万円が一般的な目安です。友人・知人の場合は5千円から1万円、会社関係者の場合は5千円から1万円程度が適切とされています。

香典袋の書き方では、仏式なら「御霊前」または「御香典」、神式なら「御玉串料」または「御榊料」、キリスト教式なら「御花料」と表書きを記入します。薄墨の筆ペンまたは筆を使用し、住所と金額は裏面または中袋に明記することが基本です。

お札は新札を避け、向きを揃えて入れるのがマナーです。これは急な不幸に対して準備していなかったという気持ちを表すためです。

香典は袱紗に包んで持参し、受付がある場合は受付で、ない場合は遺族に直接お渡しします。四や九のつく金額は「死」や「苦」を連想させるため避けるべきです。

香典辞退の場合でも、供花や弔電で弔意を表すことはできますが、これらについても事前に遺族の意向を確認することをおすすめします。家族葬は遺族の負担を軽減することを目的としているため、何よりも遺族の気持ちに寄り添った対応を心がけましょう。

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